島暮らしのカウンセラーによるWEBでの人生相談。週に3通限定でうけたまわっています。

自分のやりたいことが長く続かず、どういうモチベーションでこの先がんばればいいか分からず悩んでいます。

学生時代に小説家になりたいという夢があり、出版社に入り、編集者として働きながら空いた時間に小説を書いていました。その後、仕事で出会った方の影響でグラフィックデザインに興味を持ち、出版社を辞めアルバイトをしながらデザインの専門学校へ通いはじめました。結局それも身にならず、現在はIT企業でエンジニアをしています。現在の仕事を始めて3年ほど経つところですが、今になってまた小説が書きたいという強い気持ちが湧いています。

その時々の仕事は自ら選んだもので、決して人間関係や環境に不満があるわけではなく、単に自分が飽きてしまい長続きしません。

そんな自分は芯がないようにも感じ、時々自分のことがいやになったり、虚しくなることがあります。何かアドバイスをお願いします。

(33才・男性)

                                    


かつての私の話をしますね。

ある日、ネットサーフィンをしていたところ、「これは自分のことだ」と感じる言葉に出会いびっくりしたことがありました。

20個ほどのチェック項目があり、ほぼ全てが当てはまってたのですよね。その日以降、自分が「それ」のカテゴリの人になったということですね。

カテゴライズする言葉、概念の話。
興味があってもなくても、「HSP」「発達障害」「LGBTQ+」などマイノリティを表す言葉はよく目にするようになりましたが、そんな風にカテゴライズされたり、ラベリングされることについてどう思われますか?

私の場合は、自分の特性に名前がついた時、腑に落ちて安心する気持ちがありました。
そのように思う人って多いのだと思います。なんで安心するのかというと、「私だけじゃないんだ」、「だから〇〇だったんだ」などと、自分の感じ方に合点がいくからですよね。そして、そういう風にカテゴライズの情報を得た時って、「こんな風にしたらいいよ」っていうアドバイスもセットで受け取れるので、自分の生きやすさにつながると思っています。もちろん、自分は自分、なのですが、そんな風にカテゴライズされることも悪くないって思ってます。

ちなみに、私がカテゴライズされた言葉は、「HSS型HSP」というものでした。刺激探求型のHSPです。「ブレーキとアクセルを同時に踏む」という表現を見た時は、「めっちゃわかる」と思いました。振り返れば、突然、都市生活をやめて島暮らしを始めたことも、長期のリゾートバイトで長野の温泉旅館に行った時も、始めはとても苦労がありましたので合点がいきます(どちらも初日は孤独を感じて大泣きしました笑)。

「マルチポテンシャルライト」という特性。マルチポテンシャルライトは、クリエイティブで既成概念にとらわれず、素早く学び、変動する時代や状況に適応できます。熱意に溢れ問題に立ち向かったり、仲間とつながることを好み、複数の分野にまたがるチームを指揮するのに長けています。
エミリー・ワプニック著「好きなことを次々と仕事にして一生食っていく方法」より引用

談者さんはマルチポテンシャルライトの傾向があるのかもしれないと感じました。

私の「HSS型HSP」と同じ話ですが、「自分はこういう特性があるんだ」と自分のことを理解してあげることって、自分の助けになります。1番いいのは、人と比べなくなることです。人と比べるのって、ほんとうに意味がないことなので。自分のことを全部まるごと受け入れられるようになります。

やりたいことが続かないにしろ、それをやっている時に夢中になれることは、相談者さんの才能であり強み。

昭和時代の価値観だと、1つの会社に入って定年まで勤めるというのが一般的だったけれど、今はそういう時代でもないし、会社がいつまで続くかもわからない。

私は、続けることが善だとは全く思っていません。それよりも、自分に嘘をつかないことの方が大切です。だから、続けたい人は続けたらいいし、色んなことをしたい人は色んなことをしたらいい。

ちなみに、マルチポテンシャルライトの人は、色んな要素がからむ仕事だと飽きずに続けやすいそうです。たとえば、YouTubeの動画を作る仕事をイメージしてみます。何かドキュメンタリー動画の企画をたて、誰をどんな風に撮るか画を決め、インタビューでどんな質問するか考え、撮影、ナレーション原稿作成、編集、PR・・・こういう仕事って、色んな要素が入ってきますよね。自分自身でやりたことがあるならそれをやったらいいですが、「続ける」という体験をしてみたいということなら、そんな風に色んな要素のかけ算、というポイントで仕事を考えてみるのもいいと思います。

最後にもう1度。
続かなくていいんです。
自分で裁量を持って、仕事を、暮らしを、生き方をデザインする。
自分のことがいやになるのは、誰かと比べたり、自分を認めていないから。

自分の特性を理解し、自分を飽きさせず、楽しませてくださいね。

◆1980年代生まれのためのオンライン対話 みずうみ

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