2年前に島に引っ越すタイミングで、断捨離をしたのですよね。

手放しにくかったものって、昔のku:nelだったりするんです。その他、100冊くらいの本、CD、洋服、手紙、手帳。CDは、1枚だけスピッツの「ハチミツ」を残しました。

ちなみに断捨離って、ヨガの哲学「断行・捨行・離行」が元になってるみたいです。呼吸は、吸う前に吐く。入れる前に、出す。始める前に終わらせるってことかな。

迷ったのは、日記をどうするのか。
私は日記を読み返して自分の成長を確かめたり、もう会わなくなった人たちのことを思い出したり、過去を振り返ることもけっこう好き。

1番古いもので2003年(23才)の日記帳だったのだけど、読み返してみるとまったく別の人みたいで。そうして振り返ると、大人の自分のベースができたのって、2014年(34才)の時だなって気づきました。

だから、33才までの日記は全部捨てた。

2014年に何があったかというと、自分に影響を与えてくれる人との出会いがあって。

それは、今でも好きな文筆家・編集者の服部みれいさん。みれいさんが作る murmur magazine。最近は仕事で文章を書いたり、冊子を作ることもあって、murmur magazineの構成を参考にしたりもしています。

通称タム君のイラストも好き。

冷えとりを始めたり下着を天然繊維にしたり、自己対話が深まったのもその頃。自分に正直になったら、ストッキングが履けなくなったよ。

PUENTEのルームソックス。足元があったかいと気持ちいい。

自分に影響を与えてきた人って、どんな人だろう?って考えると、私の場合は友達とか身近な人ではなく、みんな本を通じて出会った人たちでした。みれいさんを含めて主に3人いて、吉本ばななさん、稲垣えみ子さん。

私にとっての初めてのばななさんは、「ハチ公の最後の恋人」。高校生の頃、地元の図書館にて。

友達とのお喋りでは埋められない何かを感じた。「自分みたい」とも、思ったのかな。

ちなみに、その図書館は横手川のふもとに建っていて。小学校の頃から、学校帰りに図書館に寄る子どもでした。飽きっぽい私だけど、本だけはずっと好き。川のせせらぎが聴こえる図書館での時間。よかったな。

3人目の稲垣えみ子さんは、アフロヘアのジャーナリストで、東日本大震災をきっかけに節電生活を始めた人。初めて知った時は「こんな人がいるんだ!」って嬉しかった。冷蔵庫をやめたり、ガスをやめて銭湯に通っていたり。たくましくてユーモアがあって大好きな憧れの人です。

そして、2017年に「寂しい生活」という本で稲垣さんのことを知った時、私は世の中にだいぶ怒っていた。

私もその2年後に会社を辞めたり、島暮らしを始めたりするわけだけど、「お金ってどうしてできたんだろう?」「地球はどうなっちゃうんだろう?」なんて、壮大なことを調べたり考えたりしていた。なぜか、急にインドにはまったのもその頃。文明社会が、嫌になったのだろう。

そういえば、稲垣さんの真似をして色々なことをやめました。まずは、家にある洗剤の類。洗剤って色んなとこに置いてるよね。なくなっただけですっきり。買い替える手間もないし。

台所では、びわこふきんで洗い物をして、洗濯はランドリーマグちゃん、お掃除は重曹やセスキ炭酸ソーダなどを使ってます。身体に石鹸をつけることもほとんどない。電化製品はできる範囲で減らしていて、電子レンジはやめました。ごはんは鍋で炊いて、おひつに入れてる。冷めたごはんは蒸し器で温めるか炒飯。特に、不便はないし、暮らしは以前より気持ちよいものになりました。

稲垣さんが東洋経済オンラインで連載しているコラム、おもしろいのでよかったらどうぞ。

やっぱり、始めるより終わる方が好きだな。おしまい。

◆1980年代生まれのためのオンライン対話 みずうみ のホームページはこちらより